宮さんのTen-Lab日記 ②(5月 第2部)

 

「改新小とTen-Labの風に吹かれて」Ⅱ

 

(前半はこちらをご覧ください)

 

 早くも昼食の時間となった。みんなで談笑しながら食べる弁当はやはりおいしい。昼食後、永山ともーりーはキャッチボールを始めた。グローブから快音が漏れて来る。廊下にはハンモックが横たわっている。ハンモックでの眠りってどんな眠りだろう。文庫本片手にハンモックで昼寝のできる日もそう遠くなさそうだ。

 

 午後は、新年度スタートに際しパートナーおよび彼らとの活動の見直し・強化について話し合う。パートナーとは、課題を共有し、共に解決するコミュニティだ。県下に約50人いる。月に1回のミーティング、ラボワゴンと称する各地巡り、ダイアローグなど行う。研究員として事業の支援に携わることもある。

 

 永山が黒板に貼り付けた模造紙に、話し合いをリードしながらポイントをイラスト入りで書き込んでいく。ラボワゴンのあり方について意見を交わしている最中だった。「遊びに来たよ~」の陽気な声とともに私と同じ年ぐらいのおばちゃんが孫の手を引いてオフィスに入ってきた。

 

 永山らが集う木曜日が楽しみなてるよさんだ。孫の名前はさくらちゃん、さくらの名前のようなピンクの洋服を着ている。てるよさんも孫に合わせたのかピンクだ。「家で穫れた枇杷だよ」と差し入れてくれる。早速いただいた枇杷を食べながら和気藹々と語り合う。れいこっぷが「枇杷の種から杏仁豆腐が作れるの」と話すとてるよさんは興味津々、これまでも枇杷酒や枇杷ゼリーなど作ってきただけに今すぐにでもチャレンジしたい様子だ。

 

 近所から釣れたての大きな鯛をもらったので煮付けを作ったとも。おいしそう。てるよさんは料理や食品加工がとても好きらしい。てるよさんをはじめ地域の人々がさまざまな産品・加工品を持ち寄ってここで「改新マルシェ(市場)」ができそうである。てるよさんはさくらちゃんの妹になる2番目の孫愛梨ちゃんの写真も持ってきていた。5歳のさくらちゃんが健気に妹を抱いている。本当にかわいい。

 

 改新地域では域外に住んでいる子や孫も帰ってきて10月に運動会が開かれるそうだ。私たちにも参加してとのこと。もともと運動音痴な私。徒競走(かけっこ)以外ならなんとか。宝釣りと飲み会は大歓迎だ。

 

 私は走りはダメだが、歩くのは好きで毎日よく歩く。てるよさんに聞きながら改新小発着の散歩道コース(ラボロード)を設けてみようかな。

 

 永山とあすみんは来客のため席を外した。しばらくして、てるよさんとさくらちゃんは帰ることに。れいこっぷが、1枚の紙をてるよさんに渡している。枇杷の種でつくる杏仁豆腐のレシピだろうか。甘夏のゼリーの話も出てたな。てるよさんと私が孫談義で盛り上がっているうちにいつの間にか作成していたようだ。近々てるよさんの杏仁豆腐と甘夏のゼリーが食べられるかも知れない。とても楽しみだ。私は、恥ずかしそうに終始うつむいていたさくらちゃんとそっと握手。お菓子と飴をおみやげに持たせた。

 

 永山とあすみんが相手をしていたのは永山らが出演しているMBCラジオ番組『Raidio Burn』(毎週土曜日19:00~21:00)のディレクター七枝大典さんだった。帰り際に彼と会う。私はかつてMBC南日本放送の社員だった。古巣の話がついつい長引く。3時までに市内に帰らないといけないあすみんから「急いで」の声、ぱっと車に飛び乗り帰路につく。

 

 幸いにフェリーには待たずに乗れた。甲板に出る。錦江湾の潮風に包まれながら今日という日を振り返る。「いい日旅立ち」だ。明日からもTen-Labの風に乗ってゆこう。「若い人に囲まれて仕事できるなんて最高ですよ!」、尊敬する大先輩の声がした。