幸せとはなにか ~でんでんプロジェクトから学ぶこと~

昨日はRadio Burn。Ten-Labが毎週土曜日に出演しているMBCラジオの生番組の放送日でした。2011年の10月に始まり、昨日がVol,122。(この3年近く、僕はず~っと土曜夜をラジオ局のスタジオで過ごしているわけですね。)

 

このラジオ番組は「鹿児島を熱くゆるく盛り上げる」というコンセプトで発信しており、毎回、鹿児島にまつわるTopicを取り上げているわけですが、テーマとしてはスポーツや文化、まちづくりなど多岐にわたる話題を扱っています。

 

番組はUstreamやFacebook、Twitterと連動していて、全国いろんなところからリアルタイムの反応をいただきながら「あーでもない、こーでもない」と、思考をめぐらせる2時間なのです。

 

昨日は、この番組でこれまでもたびたび扱ってきた「鹿児島の公共交通を考える シリーズ第8弾」。鹿児島市で「鹿児島とあなたと市電プロジェクト」を推進している鹿児島国際大学の学生さん(3年生と4年生)をゲストにお招きしました。

「でんでん」という取り組み

鹿児島大学と鹿児島国際大学の学生が中心となって鹿児島の活性化策を37のプランにまとめた「かごしま まちづくり推進事業」。2012年に鹿児島市が主催したこの事業によって提出されたプランのうち、鹿児島国際大学の有志は「白熊と黒豚をラッピングした路面電車を実際に走らせて、路面電車を市民にとってもっと身近なものに!」という取り組みを実行に移そうと動きました。

 

皆さんあまりご存知ないかもしれませんが、路面電車のラッピングというのは実はかなりのコストがかかるものでして、概ね150万円ほどかかります。

かれらはこのコストを市民からの寄附でまかなうという偉業を達成しました。(すごい!)

2013年3月、多くの市民からの寄附を受けて、この路面電車は「しろくま・くろぶた電車」(通称:でんでん)として実際に運行を開始することになります。

大学生が街にかかわるということ

初年度の取り組みを推進したリーダーの山本さんは、大学の卒業を機にこのプロジェクトの実行委員からも卒業。取り組みは後輩たちに引き継がれることになりました。昨日のRadio Burnは、この取り組みを引き継いだ現役大学生2名(森屋さん・木場さん)をゲストとしてお招きし、プロジェクトの「いま」を語ってもらうという内容。

 

森屋さんは、福山町出身の大学4年生。山本さんのあとを受けて代表となり、この1年間、大学と鹿児島市交通局の間の調整や関係機関との連携を推進してきました。

木場さんは、薩摩川内市出身の大学3年生。無類の電車好きが高じてプロジェクトに参画することになった路面電車博士です。

 

二人を中心に「でんでんプロジェクト」は、マンガになったり、曲をつくってもらったり、小学校の教材として扱われたり、いろんな広がりを見せるにいたります。

 

「幸せとはなにか」

二人の活躍はこちらのホームページを見ていただければと思うのですが、私が衝撃を受けたのは、打ち合わせ時に森屋さんに聞いた、彼女の卒業論文のテーマと、その内容でした。

 

森屋さんのゼミでは、「幸せ」をテーマにゼミ生がリサーチを展開し、それぞれが思う「幸せの方程式」をまとめるという卒業論文をまとめたとのこと。

 

そこで、もちろん彼女に聞いてみました。「あなたにとって、幸せとは?」

 

彼女は、こちらをきりっと見据えて、こう答えたのです。

 

「意思と行動が一致することです。」

 

バチっと、彼女のエネルギーを構成する要素とか、多くの人を巻き込む原動力が垣間見られた瞬間でした。

 

まず、意思をもつこと。

そして、行動すること。

 

誰もが彼女のように、やるべきことを見つけ、そこに意思をもち、全力で行動できるテーマを持てるわけではありません。が、彼女の場合は、自分が立ち上げメンバーではないプロジェクトを、まるで自分のことのように受け止め、自分の言葉で語るというスタンスを獲得しています。

 

でんでんというプロジェクトの核にある社会性と、彼女の問題意識がぴったりとはまったかたちのように感じます。

 

ここに、テーマ型コミュニティのひとつの理想型を見ました。

 (彼女の卒業論文、ぜひとも読んでみたいなあ。)
 

「でんでんから学ぶもの」

でんでんというプロジェクトは、鹿児島の街づくりを考える上で、多くの示唆を提供しています。

 

地域を構成するさまざまな要素は、多くの場合「自分の手の届かない、何か大きな力が作用した結果物」として認識されています。

 

たとえば、都市計画などのインフラ整備。

たとえば、中心市街地活性化などの商業振興。

たとえば、保険福祉などの社会保障。

いずれも、政治や行政といった縁遠い世界のものとして認知されています。

 

電車やバスなどの公共交通などはその際たるもので、この大きな枠組みを前にして、私たち市民が主体的に関与するという可能性を、そう簡単に意識できるものではありません。

 

そこに、「でんでんプロジェクト」は風穴を開けつつあります。

 

数人の意思が、大きな組織を動かし、そのエネルギーが徐々に多様なプレイヤーに伝播していきながら、鹿児島という街の風景を少しずつ変えていく突破口を開いていこうとしています。

 

「で、僕たちはどうかかわるか」

さて、世間は3月に入り、でんでんプロジェクトも次の段階に移行しています。

現リーダーの森屋さんも鹿児島市内で就職が決まり、ついにプロジェクトメンバーは3代目に。

 

で、じゃあTen-Labはこのプロジェクトをどう応援できるかというと、いや、おそらく当分は出番なさそうです。

 

で、個人として何ができるかというと、そりゃあもう路面電車を日常的に使うということでしょう。

 

ということで、鹿児島の多くの大人のみなさん、路面電車を使いましょう。

 

自家用車を家において、たまには市電でゆっくり通勤・買い物なんていかがでしょう?